こんにちは!投資家応援団、団長のコマコマです。
はじめに:銘柄選びの前に大事なこと、忘れていませんか?
「株を始めたけれど、銘柄選びが難しい…」
「SNSであれこれ言われても、何が本当にいいのかわからない」
「そもそも、資金が少ないうちって、どんな銘柄を選べばいいの?」
このような疑問を持つ、小資金で株を始めた兼業投資家の方へ――
今回は、【銘柄選定の極意】をテーマに、私自身が何度も試行錯誤しながら培ってきたノウハウを、実体験を交えて全力でお伝えします!
最大4倍の利益を出したトレード(2025年6月13日時点)をはじめ、これまでの試行錯誤の中から学んだことを、「買い方」「仮説」「銘柄分析」「ツール活用」といった切り口で体系化しています。
(10バガー達成者からすると見劣りするかもしれませんが、4バガーも十分おいしいですよ)
この記事は次のような人におすすめ!
- 中長期投資、スイング投資をしている兼業投資家
- 資金500万円未満で株投資をしている人
- どうやって銘柄を選定したらよいか自信がない人
そして、この記事で最もお伝えしたいのは――
銘柄選びは“買い方”の延長線上にある戦略であり、 買い方さえ間違えなければ、投資は大崩れしないということです。
他の記事でも言っておりますが、株投資において最も重要なことは資金管理力ということです。
銘柄選びより「買い方」が9割という真実
小資金の投資家にとって、まず優先すべきは資金の守り方=買い方です。 どんなに伸びそうな銘柄を買ったとしても、買い方を間違えて資金が枯渇すれば、次の一手は打てません。
- 信用取引でフルレバ(フルレバレッジ)状態になる
- 一発勝負で全力買いしてしまう
- 下がったときにナンピンもロスカットもできない
こうした状況に陥らないためにも、「買い方」に明確な型が必要です。
▼ 買い方3原則
- 資金を部隊に分けて投入する(先発・援軍・待機)
- 買う前に、利確と撤退の水準を事前に決めておく
- 小さく負ける場所を狙ってエントリーする
※こちらは投資応援団の記事「小資金で株を始めた兼業投資家必見!株の売買方法の心得3選」でも詳しく解説しています。
小資金で株を始めた兼業投資家【必見】株の売買方法の心得3選
この3原則に合った銘柄を選ぶ――それが、今回のテーマである買い方から逆算した「銘柄選定の極意」です。
資金の余力を確保し、心にも余裕を持てる投資につながります。
そしてその上で、銘柄選定において最も重要なことは「仮説→裏付け→検証」になります。
ビジネス書でよく見る言葉ですが、投資にも応用できます。
私は仕事上でマーケティングや業務改善を任された経験がありますが、銘柄選定もまさに当てはまると考えております。
では、どのように銘柄選定をしていけばよいか?
記事の前半では『銘柄選びの前提条件となる低単価銘柄』について解説し、
記事の中盤では、『銘柄選びのフレームワーク』、『銘柄選びで重視する指標』について説明、
最後に『銘柄選びに役立つツール』を具体的に解説します。
前提条件:「単価の低い銘柄」を選ぶ理由
銘柄選びを始める前に、まず押さえておくべき“前提”があります。
それは、小資金の兼業投資家にとっては、株価2,000円以内、できれば1,000円以内の銘柄を対象にすることです。
なぜ価格帯を制限するのか?
最大の理由は、資金管理に直結する「買い方」が、この価格帯でしか成り立たないからです。
- 高単価銘柄では、数株しか買えず分散が効かない
- 信用取引を使うと、フルレバ状態でリスクが跳ね上がる
- 次のトレードに回す“余力”が残らない
たとえば、ディスコ(6146)の株価は、2025年6月13日時点で33,130円。 資金が100万円しかない場合、1枚も現物では買えず、信用取引で1単元買うといきなりMAXレバレッジです。
このような買い方では、「買い増し」も「逃げ」も難しくなり、値動きに翻弄される姿が目に浮かんできます。
こういった単価の高い銘柄は、将来資金を積み上げた時のお楽しみとしてとっておきましょう。
その点、1,000〜2,000円以下の銘柄なら、資金を数回に分けてエントリーできる=心理的にも戦術的にも余裕が生まれるのです。
その中からダイヤの原石となる銘柄を発掘することを楽しみましょう!
銘柄選びのフレームワーク:「仮説」こそが投資の羅針盤
では、それでは銘柄選びフレームワークを説明していきます。
❶アプローチ方法を決める
フレームワーク(枠組み)とかアプローチ方法という言葉を使うと難しく見えてしまうかもしれませんが、あまり構えないでください。
どのような視点で銘柄を絞り込んでいくかということです。いくつかの例を挙げます。
- 好業績を上げている企業ってどんな企業?
- 流行りのセクターの中からこれから伸びそうな企業は?
- 前回の決算内容が良く、今回の決算もサプライズが期待できそうな銘柄は?
- 株主優待や配当狙いで上がりそうな銘柄は?
- アクティビストが仕掛けはじめて、上がりそうな銘柄は?
- チャートが買いのサインを出している銘柄は?
どのような視点から絞り込んでも問題ありませんが、同じアプローチ方法で試行回数を重ねてください(実際の売買はせずにエアーでも構いません)。
試行回数を重ねることで、仮説に対する期待値と精度がつかめるようになりますので。
私の場合は、好業績を上げている企業からの絞り込みと、流行りのセクターからの絞り込みを中心にアプローチしております。
❷仮説検証し期待値を算定
アプローチ方法を決めたら、次は銘柄選びで最も大切な“仮説の設定”になります。
以下は、どのアプローチにも応用できる仮説例です
- 業績の良い企業をスクリーニングすると、生成AI関連の企業が散見する。これからも伸びていきそうでは?
- 今年も猛暑になりそう。省エネ関連や空調関連の企業が業績を伸ばしそうでは?
- 前回の決算内容が良く、次の決算までには上方修正を出す可能性が有り、株価が上がるのでは?
- 高配当なので、配当狙いで1か月前ぐらいから株価が上がっていくのでは?
- チャートがダブルボトムを描きそうな気配である。ここで反発すれば、上がっていくのでは?
仮説を立てた後は、裏付けとなる情報を調査します。調査方法は次の通りです。
- 企業のIR情報、四季報などから今後の業績(計画が出ている次の期)を予測する
- 関連セクターや対象となる市場動向の情報を調べて予測する
- 決算情報を調べる。過去の上方修正した時期やタイミングを確認する
- 高配当株の前回の権利確定までの株価の動きを確認する
- チャート指標に対する値動きのデータを収集して、期待値とリスクを算定する
いずれの仮説検証の方法を選ぶにしても、「いつまでに」株価がどれくらい上がるかという期待値を算定することになります。
この「いつまでに」を先に決めておくことが重要です。期限が決まっていないと検証を終えることができませんので。
私が実践している期待値の算定方法および時間軸の取り方を参考例として紹介します。
- 業績予測からの算定
翌期1株当たり利益(EPS)=売上予測×予測利益率÷発行済株式数
株価予測値=翌期の1株当たり利益(EPS)×株価収益率(PER)の予測値(当該銘柄の平均値)
【時間軸】4Q決算発表時(翌期の収支計画発表)となり、時間軸は長めの設定となる
※四半期ごとの決算発表時にはポジションを減らすなど調整をする - 決算期待上げ狙い
前回の決算発表時に好業績であったものをピックアップしておき、四半期の決算内容(主に売上と営業利益)を予測し、決算前までの+10%~+20%を狙う
【時間軸】四半期決算発表の3週間前ぐらいからエントリータイミングを狙う
※決算は持ち越ししない - 高配当、株主優待での期待上げ狙い
値幅の予測はしにくいが、+10%~+20%を狙う
【時間軸】権利確定日の4週間前ぐらいからエントリータイミングを狙う
❸同業他社など競合との比較をし、期待値が高い銘柄を絞り込む
仮説検証にて期待値を算定した企業について、同業他社などの競合となる企業についても分析をし、期待値が一番高い企業に絞り込む。
私の場合、業績からの株価予測値を算定する場合には、株価3倍以上を狙えそうな銘柄を主な候補としています。
ここまで、銘柄を絞り込んで選定した後は、負けを小さくできるエントリータイミングが来るのを待ちます。次に銘柄選びで重視する指標について解説します。
銘柄選びで重視する指標:株価収益率(PER)よりも「本業で稼げているか」
銘柄の期待値を見極める上で、私が重視している指標は次の5つです。
成長性と競合優位性を測る主な指標
- 売上成長率 企業の成長スピードを見るうえでの基本。前年比で右肩上がりか?
- 営業利益成長率 本業での“稼ぐ力”が強化されているかどうか。
- 営業利益率(10%以上が目安) 薄利多売ではなく、単価や付加価値で稼げている企業は競争力が高い。
- 四半期ごとの業績推移 直近の業績トレンド、前四半期比においても業績が伸びている企業は確変の可能性が高い。
- 株価の推移との連動性 業績と株価が素直に連動している企業は、仮説の精度が上がる。
一方、下落トレンドが続いている銘柄は注意が必要です。 黒字転換狙いで仕掛ける場合は、あえて“底打ち感”が出るタイミングを見極めることが重要になります。
銘柄選びに役立つツール
ここでは、私自身が活用している“3種の神器”をご紹介します!
① 銘柄スカウター(マネックス証券)
- 【特長】業績グラフが見やすい/競合比較がしやすい
- 【使い方】営業利益や売上成長率、営業利益率を一目でチェックできる
- 【メリット】「この業界で一番強いのは?」が見つかる。四半期ごとの業績推移を一目で確認できる
- 通期および四半期の業績推移の確認
- 売上高営業利益率の推移確認
- 株価収益率(PER)の推移確認
- 四季報情報の確認(発行済株式数など)
- 次回の決算発表時期の確認
- 決算発表情報などのIRの確認
② トレーディングビューのスクリーナー機能
- 【特長】チャートの確認だけでなく、株価や時価総額、業績条件で自由に絞り込み可能なスクリーナー機能が◎
- 【使い方】条件を設定して意外な銘柄を発掘
- 【メリット】「自分では気づけなかった銘柄」と出会える!
チャート確認もさることながら、時価総額1,000億円以下、営業利益率10%以上、株価2,000円以下+αの要素で抽出した銘柄について、①の銘柄スカウターにて株価予測情報を分析している。

※トレーディングビューより
③ 生成AI(Copilotなど)
- 【特長】テーマや条件を投げると、候補リストを提示
- 【使い方】「○○な条件で期待値の高そうな銘柄は?」と相談
- 【メリット】“漏れなく・時短”で仮説の幅を広げられる
- 流行しているセクターの同業他社銘柄をピックアップしてくれる
- 分析対象となっているセクターの市場規模の動向を調べる
銘柄選定の実例解説
では、実際に私が株価を4倍まですることができた銘柄の選定方法を解説します。
●銘柄
9343 アイビス(モバイルペイントアプリの運営会社)
●売り買いタイミング
イン 2023年9月12日 1,280円
アウト 2025年2月10日 3,550円(約1年半の最高値5,250円)
●アプローチ方法
流行セクターからの仮説検証
●仮説検証
2023年3月のIPO銘柄、アプリを使用する会員が増加傾向にあり、アプリのサブスク料金・広告収益によるストック収入で業績を伸ばしていた。
イラストに親しみがある家族の目線からもイラストアプリとしてアイビスが良いとの言葉があり、今後も普及していく可能性を感じた。
●使用ツール
・銘柄スカウター(マネックス)にて、業績推移の確認をする。
・生成AI(コパイロット)を活用して、同業他社を類推し、比較情報を集める。
●選んだ決め手
・営業利益率が10%→20%に伸ばす可能性を感じた(決算資料より)
・ストック事業にて売上を積み重ねており、まだ成長性があると判断した。
・ユーザー目線でもアプリを使いやすくて好評であった
※4Q決算発表にて2025年度の売上と営業利益の計画が鈍化したと判断したため、2025年2月10日のPTS(時間外取引)で売却した。2026年度の計画発表前での再購入を見定めたいと考えている。
まとめ:「買い方 × 仮説 × 業績 × ツール」= 勝てる銘柄選定
最後に、本記事のエッセンスを整理しておきます。
銘柄選定の極意(再掲)
- 価格帯の制限はマスト:2,000円以下、理想は1,000円以下
- 仮説は“期限と根拠”が命:「いつまでにどうなるか」を明確に
- 成長性に注目:株価収益率(PER)よりも“本業で稼ぐ力”と”成長性”を重視
- ツールを活用:銘柄スカウター×株式スクリーナー×生成AI
- 銘柄選定後は待つ:資金(部隊)分け小さく負けられるタイミングが来るのを待つ“焦らずに待てること”こそが、小資金投資家の最大の武器です
投資に「絶対」はありませんが、「期待値の高い選択肢」を積み重ねていくことは可能です。
あなたの株式投資が、“なんとなく”から“ロジックに基づいた自信ある判断”へと進化していくことを願っています!